ちゅんズたち

生き物たち comments(0) - くら乃屋女将

嘴かまだ黄色くて

ついばみ方もまどろっこしい

子スズメたちは

 

やがて成鳥となって

実り膨らむ田んぼを

餌場にしたのか

 

トンっと来なくなりました。

 

えー、えー、

こちらが用意してるのは

くず米ですからね

 

お味はさほど

おいしくはないでしょうよ。

 

夏の日差しに

軒下のくず米は

一向に減らない

 

と思った矢先

 

一羽のスズメが

来ていたのです。

 

全身の羽が

みすぼらしくバサバサで

 

ついばみ方もぎこちなく

 

仲間もなく

 

いつも一羽で来ていました。

 

動きがおかしかったので

 

きっと長い命ではないだろうと

 

だからせめて

 

ここに来れば必ず

食べられるようにと

 

不味いはずのくず米を

あの一羽のために置き続けて

 

幾日か後

 

激しい夕立のあった翌日

 

くず米置き場の

すぐ側の縁台のわきで

 

絶命しておりました。

 

小さな体は

雨に打たれたまま

硬くなっておりました。

 

野生の生き物の躯を

目にすることは

滅多にありません。

 

人家の近くで

亡くなるなんて

 

この子はどれほど

弱っていたのかと

 

少し胸が痛みました。

 

 

 

サヨナラ、ちゅん子。

 

 

 

うちの敷地の土になる子は

 

虹の橋を渡るんだよ。

 

飛ばずにね

チッチと跳ねてね。

 

 

←またおいで

 

 

 

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