二月尽

お宿 comments(2) - くら乃屋女将
 わー、もう二月が終わろうとしていますよ。
早いですねー。

当初の見込みとは裏腹に、
二月もそれなりにお客様にお越しいただきました。
有難いことです。

お越しいただいた皆様、
この寒い中、くら乃屋をご利用くださいまして
ありがとうございました。

つい数日前、最低気温がオドロキの、マサカの−19.4℃を記録しました遠野ですが
本日は一転、最高気温も高らかに、盛大な雪融けとなっております。





ラウンジの窓辺で雪を見るフロント係。
底冷えの頃。


一転、本日の陽だまりの中。




この平穏な寝顔が憎たらしくも愛おしい。


今月、凍結した坂道を登って当館へお越しいただいたお客様の
ほとんどが沿岸部でのお仕事の方でした。

もちろん、通常業務の一環としてのお仕事の方もおられますが
多くは復興関連の皆さまです。

特需がまだ続いていると思われます。

そのお蔭で、この新参にて弱小なる宿も生き延びているのです。

特需の恩恵を受けて、迎えるは三月。

この仕事も、ここでの生活も、全うさせていただく所存にて
弥生の月を迎えます。

ただ今公開中
   ↓
http://www.reunion-movie.jp/


あの日も、遠野には雪がずいぶんと残っておりました。


br_decobanner_20100423151923.gif← 生き延びぬく覚悟にて





雪降り積む

思えば遠くへ来たもんだ comments(3) - くら乃屋女将

春の便りを待っているときに
最低気温が−14℃って、ちょっと応えます。

まだこの白い景色の中に居たいと思う反面
「春」という音の柔らかさに
憧れに似た気持ちになるのは、春の力そのもののせいでしょう。

それでも、この引き締まった空気が、
凍てつく星のきらめきが
冴え冴えと照る満月の明かりに浮かぶ青い雪面が
どうしようもなく好きなんです。





川が、凍っています。。。




切れるかと思うほどの冷たい風に乗って
オオタカ(と思われる)が旋回中。 ………見えませんよね。すみません。。。


冷え込みには定評のある遠野市ですが、積雪はそれほど多くはないのです。
でもスキー場だって、あるんですよ。




市内唯一のスキー場。
リフトは一本のみ。 貸スキーなど一切なし。 潔し。

このポスターの雰囲気そのままの赤羽根スキー場、
リゾートな気分からはちょっと遠いかもしれませんが
別の角度の楽しみがあると思います。

よろしければ、是非♪

ワタシはスキーはしない派なので、ウチで炬燵にミカンとさくら。





寝顔の温い、犬であります。


外は、雪。

冷え込んだ朝の、雪を踏みしめる音も心地よし。


br_decobanner_20100423151923.gif← よっしゃ、今日は熱燗だー


幼馴染の思い出は…

思えば遠くへ来たもんだ comments(2) - くら乃屋女将

何とはなしに、ふと随分昔のことを思い出しました。

まだ小学校の低学年の頃のことです(思い出ながらモノクロだ)。

当時、誕生日になるとクラスのお友達を自宅に招いて
お誕生会なるものを行う習慣がありました。

招かれたら学校に行く時よりはおめかしをして、プレゼントを持って
お友達のおうちに行くわけですな。
招かれたら招くのが世の習い、子どもだって例外ではございません。

あれは何回目のお誕生会だったでしょうか。
会の昼食を豪華にするのが見栄のように感じ始めたワタシは
思い切って食事をカレーにしようと思いつきました。

カレーならだれでも好きだし、準備をする母親も助かるし
妙に気張った食事より楽しめるし
我ながら何ていいアイディアだろうとさえ思ったのでした。

さて、当日。

ケーキの後にプレゼントをいただき、さあお食事タイム〜となって
みんなの前にカレーが出されると、空気が一変。
「え?お誕生会に、カレー?」とは誰も口にしませんでしたが
明らかに冷たい動揺が広がって、抗議の意味なのか
誰一人スプーンを手にしません。
結局一口も食べてもらえないまま、カレーは下げられ
地下深くまで盛り下がったお誕生会は、食事後の遊びタイムも割愛され
冷え冷えとした空気から逃れるようにお友達は帰って行ったのでした。

以来、ワタシがお誕生会を開かなかったのは言うまでもありません。

悲しい思い出、ではありますけれど
一番傷ついたのは、母ではなかったかと
大人になってから思うようになりました。

せっかく作ってくれたカレーを食べてもらえなかった切なさに
気づくのが遅くてゴメンナサイ。

今でも疑問なのは、どうして全員が食べなかったのかということ。
理由を知りたいような、もうどうでもいいような。。。



ワタシは今でもカレーは好きですよ。





全く話は変わりますが、
遠野観光協会の事務所の椅子は、カッパ色。

それがどうしたって、いえ、ただそれだけなんですけれども。。。


br_decobanner_20100423151923.gif← 膝を抱えて物思ふ。。。



追伸: kotamamaさま、ご指摘ありがとうございました〜♪ 




てけてんてんてんつくてん

お宿 comments(4) - くら乃屋女将
 珍しく、てんつくです。
今日はこれから貸切の団体様がいらっしゃいます。

団体様と申しましても、それはくら乃屋。
20数名様、しかも大半が小学生、
バレーボールの試合があるそうです。

子どもが何やらスポーツがしたい!と言い出せば
ほとんどが漫画の影響だったのですが
つい最近も同じでしょうか。

ワタシ時代では「アタック ナンバーワン」とか「エースをねらえ」とか
「巨人の星」、「ドカベン」とかが懐かしや。

もっと子ども時代に夢中になりましたのが「ハリスの旋風」。

子どもから少し成長して「一球さん」など唸りながら読みましたねぇ。

この頃の子たちは、何に触発されてバレーボールなのかしら。
漫画ではなくて実際のバレー選手たちへの憧れでしょうか。

ワタシが介護施設に入る頃には
みんなで行う体操のBGMは、きっと「おもい〜こんだあら〜♪」
となっているに違いない。

体操しながら大合唱。「どんとーゆーうけー!」

「職員のお兄さーん、次はひみつのあっこちゃんでやって〜」
なんつて。。。




…さ、現実逃避していないで厨房に行って朝ごはんの仕込みをしようっと。




今日はにゃ月にゃん十にゃ日〜。


br_decobanner_20100423151923.gif← リベロって、なに?


お見舞い申し上げます

思えば遠くへ来たもんだ comments(0) - くら乃屋女将
 今朝の新聞記事にびっくり。

東京のかんだやぶそば、火災で店舗が消失してしまいました。

http://digital.asahi.com/articles/TKY201302190351.html?ref=comkiji_txt_end_kjid_TKY201302190351

蕎麦の味ばかりでなく、店の造りも従業員さんたちの動きも
お品書きのそっけなさも全部ひっくるめて好きでした。

何といっても忘れられないのが、閉店時間間際の容赦ない客出し。
客が蕎麦をすすっていようが、お銚子を傾けていようがお構いなし。
海の家の食堂かよ!と言いたいくらいの仕舞いようが
何とも江戸っ子なせわしなさ。
パタパタ仕舞う従業員さんたちの厳しい視線を受けながら
最後の盃を舐めるようにもったいぶって干しましたっけねぇ。。。

和服姿の粋な姐さんが、よく通る声で厨房に注文を通していたのが
まるで常磐津の謡のようでした。
今頃気落ちしなさっておいでだろうか。。。

あな惜しや、あの佇まい。
多くのご贔屓さんの溜息が聞こえるようです。

怪我人などが出なかったのが、せめてもの救いでした…。

店舗は失っても伝統のお味はなくなっちゃおりませんから
再建を期待したいですね。

がんばれ、やぶそば!





こちらは冬季限定の星空食堂周辺。

神田藪蕎麦さんほどではないにしろ、結構な繁盛ぶりです。
それにしても客筋が掴めないのが悔しいなぁ。

夜更かしして見張るのも嫌だしなぁ。。。 寒いし。。。

今朝の最低気温は氷点下11℃でしたけれども
ほんの少し、次の季節の気配が感じられます。


br_decobanner_20100423151923.gif← 雪がなくなったら星空食堂は閉店


雪上の格闘技

遠野のイベント comments(3) - くら乃屋女将
 どんなスポーツでも、近くでナマを見れば
その迫力に圧倒されるものです。

これをスポーツと呼ぶかどうかの議論はさておいて
ちょっとだけ見てきました、雪合戦。

予選は見逃してしまったものの、
一般の部(つまり男性ばかり)の準決勝をとっくりを観戦いたしました。

マジ、すんげーっす。

会場

会場は早池峰神社脇のふるさと学校グラウンド。


公式審判

公式審判員もいる本格的な大会でした。


試合前には各チームが自己責任で雪玉を製作します。
試合に使う雪玉の数は決められていて、試合前に審判の確認を受けます。

こちら、雪玉製作機。

雪玉製作器

雪を詰め込んで、がっしがっしと上から固めて作りますから、結構カタイ。
当たったら、イタイ。

雪玉制作中

できたて雪玉

白いたこ焼きみたいやん♪

優勝候補

こちら、優勝候補のチームの方。

陣取り、作戦、フォーメーション、かなり経験豊富で練習を積んでおられるようでした。


いざ

かかってこいやー

気合を入れて、さあ試合開始!



ところが、試合運びを知らないうえ
投げ合いのタイミングが早すぎてカメラを構えることすらできず、
口を開けて飛び交う雪玉を見ていただけという
お粗末なレポーターとなり果てました。

選手の皆様は、陣取りのスライディング、鋭いピッチングフォームから
明らかに野球経験者です。

コンパクトな腕の振りから投げられた雪玉の速さは、ワタシなら瞬殺。
早きに泣きて3歩歩めず、間違いなし。

ヘルメット装着がなければ危険というのも頷けます。
当たった時の音も砕け方も「本気」モノです。


えええーーーっ!!すっごーーーい!
と言っているうちに試合終了、あ?どっちが勝ったっけ?
あ、旗がないからこっちか、みたいなドンくさい観戦者も、
女性選手が混じったミックスの部なら、試合運びが分かりました。

突撃も囮もない、まったりとした試合でしたから。。。うふふ〜♪

きびきびとした若人たちが躍動する姿を見るってのは
まあ気持ちのよいもんですな。

年齢別の試合などあれば、それなりに楽しいと思うのですが
競技人口がまだ少ないですし、練習ったって雪がなきゃできませんからねー。

え?テニスボールでやる?

そりゃ痛いばっかりで、シャレになりませんよー。
知りませんよー、本気のけんかになってもー。。。

雪玉なら、球がなくなりますから終わりますけれども
テニスボールだと、拾っちゃ投げて投げちゃ拾って、終わりませんよー。


面白そうと思われたそこのアナタ
来年あたり、雪合戦の観戦などいかがですか。



br_decobanner_20100423151923.gif← 当たって砕ける潔さ  



嬉し。。。♪

遠野の人 comments(0) - くら乃屋女将
 おとといの話、ならば一昨日の話題になったのですが
実は昨日のお話でございまして
「すぅーっかり忘れてましたー、すんませーん」
と桃ちゃんが素敵なバッグを手渡してくれました。



こんなにちゃんとしたパッケージで贈り物をいただくのはどれほどぶりだか…。


はい、バレンタインのプレゼントをいただきました。

今時は本命、義理の他に友チョコというのがあるそうで
女性同士でもチョコの受け渡しがあるのだそうです。

ワタシはそうしたチョコの時代の者ではないので
思いがけずチョコをもらって、チョコット照れちゃいました(おやじじゃねーか)。

でもほんのりと、やがてしっかりと、嬉しいもんです。



しかも中身がこれ♪
大好物の缶が忍ばせてあるなんざぁ憎いぜ、桃ちゃん。



甘味のほとんどに興味のないワタシですが
チョコレートは例外中の例外、好物なんです♪  かわゆし、うまし♪


お裾分け?



すんすんすんすん




ふんふんふんふん


ありがとう、桃ちゃん。
キャピ度が少ないとお見受けしておりますが、女子度はバッチリです。

女の子って、ええなぁ〜♪


br_decobanner_20100423151923.gif← 自分、おやじ度急上昇






スキップカード

日常 comments(3) - くら乃屋女将
宿泊予約サイトには楽天トラベルさんにのみ、くら乃屋は登録しております。
部屋数が5室と少ないので、複数のサイトに登録してしまいますと
管理が煩雑になり、オーバーブックの可能性が出るためです。
ご不便をおかけいたしますが、何卒どうぞよろしくお願いいたします。

楽天さんの様々なサイトでは、利用の度に利用額に応じたポイントがつきますので
電話でお問い合わせをいただいてから、
わざわざ楽天さんからご予約なさるお客様もいらっしゃるほどです。
なるほど、ポイントというのは魅力的なのですね。

ワタシもインターネットで色々と買い物をいたしますから
何やらポイントが貯まっているらしいとは感じるものの
それを駆使する細やかさが欠損しているために
ちょっと貯まったと思いきやすぐ買い物で消費していまして
おそらくポイントの有効な使い方とは一生無縁のままだろうと推察しております。

わかんないんです、どこに何のポイントが貯まっているのか。
一番面倒なのはクレジットカードのポイントで、
自分から行動を起こさないと自然消滅するなんて、
非情なシステムじゃありませんか。
自動的に優遇してくれてもよさそうなのに、なんて意地悪なんでしょう。

その点、遠野市内で活躍しているこのポイントカードは分かりやすくて
ワタシの大事なパートナーでございます。

その名は「スキップカード」。 
スキップスキップらんらから〜ん♪、のスキップです。



加盟店で買い物などいたしますと、ポイントが付きまして
クローバーマークがいっぱいになったら、めでたく「満点カード」となって、
1枚500円分の金券となります。


ところが年末、歳末セールの時期になりますと
これ1枚で550円分の買い物券になるので
毎年その日を逃すまじと目を皿のようにしてチラシを熟読し、
いざ出陣の暁には目の色を変えて買い込みまくるのでございます。
その年末の買い物のために、春も夏も満点カードをせっせとため込むのは
遠野市民の生活防衛手段の最たるものと
ワタシはお見受けしているのでございます。

また、この満点カード数枚で
例えば温泉旅行の企画に参加できたり、演芸ショーの観覧ができたり
楽しみは買い物に限りませんから、とても人気がありまして
これを持たずして遠野市民と名乗るなかれ、なカードでございます。

お仕事で、ボランティアで遠野にご滞在の皆様にも
是非ご利用いただきたく、「スキップカード」をどうぞよろしくお願いいたします。

また、ご旅行の方でも店頭でさりげなくスキップカードを差し出せば、
その瞬間から普通の旅行者から、通いこんだツウの旅行者となり
周囲の目が尊敬とおののきでがらりと変わることでしょう。

ああ、なんてすばらしい遠野市民の友、スキップカード。


br_decobanner_20100423151923.gif← ここで宣伝してもなぁ…



フィールドサイン

生き物たち comments(2) - くら乃屋女将

番頭がようやくフェイスブックにアカウントを開きました。
「遠風会」という、遠野の観光のこれからを考える会に所属したためで
SNSに興味を持ったからではないようです。

ですから、友達リクエストはワタシにはしません。
されても困るので、しないようにお願いしております。

が、フェイスブックの面倒な点として、
共通の友人の記事をシェアしたり、そこにコメントを残したりすると
その動きが反映されて見えてしまうこと。

外面の滅法よい番頭の、歯の浮くような誠実な文など
間違って読んでしまったらワタシの顔がどれほどひきつるか、
考えただけでもムカツク〜。。。

ワタシとFBで繋がっている数少ない友人が
番頭とFBメイトにならぬよう兢々と祈るこのごろでございます。


ネット上のページにコメントをつけたりすることを
「足跡を残す」などと表現するようですね。
本名は名乗らずとも、そこを訪問した証を残すという意味でしょうから
言い得て妙であります。

足跡はフィールドサインとも呼ばれ、
野生動物の生態を調べる上では大切な手掛かりとなります。




雪の積もった朝、ラウンジの窓から。

来てますな、通っておりますな、一匹ですな。




新雪を歩くのが難儀なのは、ニンゲンだけではないようですな。
結構蛇行しております。


接写。




この丸っこい足跡の主は…?

ワタシは***だと思います。  さて、皆さんは何だとお思いでしょうか。





もっと接写。 こちらはおそらくチュン系ですな♪ かわゆす♪

雪の上の足跡はかわいいもんですな、何度見ても。



ワタシのFBアカウントに番頭の足跡がつきませんように、鬼祈。


br_decobanner_20100423151923.gif← しっしっ!



尋常(ただ)のおんな

我思う comments(2) - くら乃屋女将
 この本にもっと早く出会っていたら、
もしかしたら違う人生だったかもしれないとさえ思いました。

明治の解放された機運と若人たちの熱気を活写しつつ
天才歌人の二人を苦しめる凡庸な懊悩、そして煌びやかに舞う詩歌。

時代とはかくも人の才覚を左右するものかと
著者の偏好を差し引いても驚かされます。






彼らの発行した「明星」には花巻の歌人、石川啄木も参加した時期がありましたね。

それにしても、言葉のうつくしいこと。 その調べのたおやかなこと。

才能を開花させ、昇華せしめた歌人与謝野晶子の
なんとうっとおしい女心。

女々しいとは、男に使うばかりでなく最近では女性にも用いられ
そうした湿った感情に捕らわれることは
現代においては時代遅れで恥ずべきものと扱われているように思います。
男女平等、人すべて等しくあるべしの教育のたまものでしょうか。

ワタシ自身もそのような嫌いがあって、
「女性らしいヒト」の括りには当てはまりません(きっぱり)。

しかしながら、女性であるが故の特有の懊悩には
それを生み出す感性があることの証であり
中年以降の鎮まった目が決してモノクロにならないのは
若き日々を女心の波風にもまれたからこそだと
この本と、彼女の短歌に教えられました。

彼女はとうに亡くなりましたが、歌は輝きもそのままに
現代に息づいております。


海恋し 潮の遠鳴り かぞへては 少女(おとめ)となりし 父母(ちちはは)の家

大阪は堺の、晶子の生家跡にこの歌の刻まれた記念碑があるそうです。

父母の家もとうにない身、少女に返る場所だけでなく
そんな瞬間すらもう訪れなくなったのは
女心を育てずにきた自身の、錆びた感性の故なのかなと
少し寂しく思いました。




クジャクの羽が面白くてしかたがない若造。

遊びなされ、今のうち。




楽しいことは、そう多くはないぞ。

そう、今楽しいことは、今楽しもう!



br_decobanner_20100423151923.gif← 晶子さん、あんまりな旦那様だったわね





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