もういいや、あの家に行かなくっても
ワタシの心に届いたクロコの呟きの
理由は分かりませんでした。
体調が悪いのか、
マスクとケンカしたのか、
もっとおいしいご飯がもらえる家を見つけたのか。
ただ、
怪我をして動けなくて来られないのではない
という確信だけが
ワタシの救いでした。
いいよ、クロコ。
好きな時にまたおいで。
お前がこの家を思い出した時
この家に至る道を忘れていなかったら
歩いておいで。
お前のペースで。
どこで何をしているのやら…と
鈍色の空を眺めていたとき、
そうだ、Lineしよう
と思いつき、リンゴ園の奥様に
「最近クロコの姿が見えなくて心配中
そちら付近で見かけませんでしたか」
と尋ねましたところ
「あ、さっきもいましたよ、元気ですよ」
と、ご返信くださいました。
やっぱなー、元気なんだクロコー、
水臭いなー、なんでここまで来てくれないんだろー。。。
ちょっと寂しさを覚えつつも
元気でいることがわかって、ほっ♪
そしてまた数日後
スーパーで買い物中に奥様からLine。
「クロコが二匹いる」
画像も添付されておりまして
確かにかのお宅の縁台に二匹の黒猫。
ぬぬぬぬ!?
しかも喧嘩をしないということは
クロコの彼女!?
ゆゆしき事態に、スーパーの帰り
リンゴ園さんのお宅に立ち寄りました。
すると、縁台に1匹の黒猫。
そーっと近寄りましたら、
縁台に面したサッシがカラリと開きまして
奥様登場、黒猫はひらりと退場。
奥様も困惑しておられ
撮影した黒猫の画像を見てみますと
黒猫、若い!
この二名ともクロコではない、と判明。
聞けば奥様は
クロコとは雌猫で、
くら乃屋から離れていた間に出産をし
子連れで現れたのだわ
と素晴らしくたくましき妄想劇場を展開なさっておいででした。
わははーーー♪
それにしてもこの二名の黒猫は…?
きゅるりんな黒猫、リンゴ園の奥様撮影。
可愛く撮ろうとかうまく撮ろうとかブログで自慢しようとかの邪心がないと
こんなにあっさり綺麗に黒猫が撮れるんですな。
……ちぇっ。。。
仲睦まじく家の中を覗く二名。
こんなにヒトに親しげな猫は、飼い猫に違いなく
しかもこのほっそりとしたシルエットはクロコに非ず。
実はこの日の朝
約2週間ぶりにクロコが来て、ご飯を食べていき
ワタシを安堵させてくれました。
ワタシはてっきり
そのご飯の後、クロコはリンゴ園さんで
食休みをしているものだとばかり思っていましたが
リンゴ園の奥様は怒涛の黒猫ラッシュに
見分けがつかなくなっておられたのでした。
奥様は猫アレルギーをお持ちです。
それでも猫たちを見守ってくださる優しさに
リンゴ園さんに集う猫たちはみな
救われているのでした。
クロコの顔かたちは、こんなんです、と
今後の判別のために奥様に送った画像。
全然ちげーよ。
ちなみに、宿敵マスクもまた
リンゴ園さんに出没しているようで
ゴミ置き場に入り込んで荒らした挙句
サンダルをずたずたにした罪状で
指名手配中らしいです。
いるいる。
これも奥様撮影。
箒を持って追いかけずに、撮影。いと優し。
さて、クロコです。
ひとしきり放浪の時を過ごして満足したのか
再び日に一回は来るようになりました。
あの時の呟きが届いたことを知ってか知らずか
少し距離が縮みました。
耳はビリビリ、頬はズタズタ、
けれど今日もご飯がおいしくて良かった。
色々なものが怖いお蔭で
今日まで生き延びてこられたのだろうキミは
やっとワタシの目を見てくれるようになったね。
そしてちゅ〜るを食べる間だけは
頭を撫でて良いことになったね。
彼が今後どのように過ごすかは
誰にもわからないことですが
できうれば穏やかに
健やかにいてくれたらと願わずにいられません。
クロコ物語はこれで終わりですが
書いているうちに
リンゴ園さんではまた新たな騒動が…!
こりゃリンゴ園さん物語も
いずれ書かねばなるまいのぅ。
ぬふふふふ。。。
長々とお付き合い、ありがとうございました。
通猫の
足跡に積む
はるの雪
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